フィリピンKF-RCより、原発事故に関するメッセージ

日本の友人のみなさんへ、

2011年3月11日に日本を襲った地震と津波により壊滅的な被害が出ていること、老いも若きも関係なく非常に多くの尊い命を奪われたこと、そして今に至るまで何千人もの行方不明者がいることに深い悲しみを覚えています。特に、農地や家畜も被害を受け、ありとあらゆるものを失った農民の方々のことを思わずにはいられません。死者や行方不明者については報道されていますが、失われた農地や家畜についての報道はされていません。

福島原子力発電所の爆発事故についての報道によって、わたしたちの不安は増幅しています。原子炉の冷却がうまくいかずにメルトダウンの危険性があると聞きました。誰もが、これから起こることは並々ならぬ災害であると知っています。誇張ではなく、壊滅的・悲惨な被害がもたらされるでしょう。第二のチェルノブイリとなってしまっています。いや、チェルノブイリよりひどい事故であるということが明らかになりつつあります。

わたしたちは、日本の人びとの強固な意志を信じ、大変尊敬しています。もし今回の災害が地震と津波によるものだけだったら、みなさんにとってそこから復興をとげることはそれほど大変なことではなかったと信じています。神戸のときもそうですし、それはたびたび証明されています。

しかし、いまも原発から空気中に排出されている放射性物質や海に垂れ流されている汚染水についてはどうでしょう。浄化することは不可能です。そして、現在に至るまで、日本政府や東京電力がその放射性物質の排出を止めることができるという兆候は一向にみえてきません。

日本政府が定めた「ノーマンズランド(訳者注:立ち入りが制限された警戒区域)」は、原発から20キロ圏内が最終的な範囲なのでしょうか? それともこれはただの始まりにすぎないのでしょうか? 20キロ圏内、そして圏外であってもすでに放射能汚染の影響を受けている地域の農地や農村コミュニティはどうなってしまうのでしょうか? 補償や謝罪は被害を埋めるのに十分ではありえません。天皇からの被災者に向けたメッセージも同様でしょう。日本政府と東京電力は責任を負うべきです。日本国内でも世界中でも、原発を稼動させることの危険性が指摘され続けてきましたが、それに耳を傾けなかった結果なのですから。

被災した日本の友人のみなさんの深い苦しみを思い、わたしたちも気が気でありません。わたしたちにできることがあればどんなことでも手を差し伸べたいと思っています。家族を亡くした方や愛する人が見つからない方に対して、心からお悔やみ申し上げます。そして、被災されたすべてのみなさん、その中でも特に農村のみなさんが一日も早い復興をとげられることを強く祈っています。

カネシゲファーム・ルーラルキャンパス(KF-RC)のスタッフと研修生、そしてネグロスや北部ルソンやフィリピン中の仲間は、日本政府に対して、今回の危機を収束させ、被災地の復興とすべての原発の停止を求める日本のみなさんとの連帯をここに宣言します。

そして、世界中の人びとに対して、「ノー・ニュークス・ナウ!核のない世界を共にめざしましょう!」というメッセージを送ります。

アルフレド・M・ボディオス
KF-RC コーディネーター

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